大判例

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東京地方裁判所 昭和35年(ワ)6123号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と判断〕株式会社東京機械商事は昭和三五年二月四日支払を停止し、同年三月一六日破産の宣告を受けて、原告がその破産管財人に選任された。破産会社は昭和三五年一月二八日現在で被告会社に対し四七七万四、〇〇〇円の債務を負担していたが、さらに八〇万円の融資を受けるため、右同日従前の右債務について分割弁済の方法を定め、その支払を担保するため破産会社の商品の大部分である本件文書細断機三〇台につき質権を設定するとともに、代物弁済の予約をし、次いで同月三〇日右文書細断機を評価のうえ、被告会社が代物弁済予約完結の意思表示をして、その引渡を受けた。原告は右代物弁済契約を破産法七二条一号により否認して、右文書細断機の返還を求め、その返還ができないときは、否認権行使当時における販売価額により価額の償還を求めた。被告は原告の否認権行使を争うが、それが認められる場合は、価額償還は目的物の返還に代るものであるから、償還価額は事実審の口頭弁論終結時を標準として算定すべきであると主張する。

判決は、本件否認権行使を理由ありとしたが、返還不能の文書細断機の償還価額の算定基準時を次のように判示した。曰く、

「そこで償還すべき価額について検討を加える。被告会社は、この点につき口頭弁論終結時を基準として価額を算定すべきことを主張する。しかし、否認権の行使はこれにより遡つて当該否認の対象となつた行為が存在しなかつたと同じ状態に破産財団を復帰せしめるものであるから、当該否認の対象となつた行為の時を基準としてこれを算定すべきものと解するのが相当である。」

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